以下では簡単のため、惑星の公転軌道楕円は円と近似でき、すべての惑星と月は同一平面上を公転しているものとする。このとき、以下の3つの法則が成り立つ。
[第一法則] 惑星は太陽を中心として公転している。
[第二法則] 惑星は常に一定の速度で公転する。
[第三法則] 惑星の公転周期を$T$、軌道円の半径を$r$とすると、すべての惑星において$\frac{T^2}{r^3}=k$(一定)となる。
次に示すのは、左から順に惑星の$T$及び$r$、平均密度$d$、体積$V$、また衛星の個数の値である。ただし、$T,r,d,V$の値はすべて地球を$1$としたときのものである。必要ならばこれを用いて、あとの問いに答えよ。
水星 $r=0.39 T=0.24 d=0.99 V=0.05 0$
金星 $r=0.72 T=0.62 d=0.95 V=0.86 0$
火星 $r=1.52 T=1.88 d=0.71 V=0.15 2$
木星 $r=5.20 T=11.9 d=0.24 V=1405 79$
土星 $r=9.55 T=29.5 d=0.13 V=831 65$
天王星 $r=19.2 T=84.0 d=0.23 V=64.0 27$
海王星 $r=30.1 T=165 d=0.30 V=59.3 14$
⑴表から、地球型惑星の中では火星が、木星型惑星の中では木星が最も多くの衛星をもつことが読み取れる。この2つの事柄に共通して当てはまる理由を説明せよ。
⑵表から、木星と土星が特に多くの衛星を持つことが読み取れる。この2つの事柄に共通して当てはまる理由を説明せよ。
⑶すべての天体は地球を中心に回っているとする天動説が誤りであるといえる根拠を簡潔に述べよ。
地球の公転周期を$1$年とし、以下のような仮想の惑星$P$の特徴を考察していこう。
・密度、体積ともに他のいかなる木星型惑星よりも大きい。
・$\frac{T}{r}=1.5$である。
ただし、惑星$P$も上の3つの法則を完全に満たすものとする。計算値は、必要ならば小数第三位を四捨五入し少数第二位までの近似値で答えよ。また、太陽系とその周辺の環境は一切変化しないものとする。
⑷公転周期の単位は「年」で、軌道円の半径は地球を$1$としたときの値で考えるとき、$k$の値を求めよ。
⑸惑星$P$の公転速度は、木星の公転速度の何倍か。
⑹惑星$P$の公転周期は何年か。
⑺惑星$P$は、どの惑星とどの惑星の間を公転するか。
⑻以下のア〜エのうち、惑星$P$について述べた文として正しいものには◯を、正しくないものには✕を答えよ。
ア 惑星$P$の衛星の個数は、いずれ80個以上になると考えられる。
イ 惑星$P$には隕石が衝突しやすいので、クレーターができると考えられる。
ウ 現代の観測技術では、惑星$P$を地球から観測することができない。
エ 惑星$P$の半径の長さは、天王星の半径の長さの$3$倍以上である。
⑼太陽、地球、惑星$P$が(この順に限らず)一直線上に並ぶ周期は何年か。