1
下の行列$A$に対して$f\colon \mathbb{R}^{6} \to \mathbb{R}$を$f(x)={}^{t}xAx$で定義する。${}^{t}x$は$x$の転置である。
$f$が原点で最大最小をとらない$a$の範囲を求めよ。
$$
A=\begin{pmatrix}
a& -3 & -a & 2 & 9 & a\\
-3 & -3 & 1 & 0 & 5 & 1\\
-a& 1 & 4 & 5 & 4 & 7\\
2& 0 & 5 & 1 & a & 1\\
9& 5& 4 & a & -4 & -4\\
a& 1 & 7 & 1 & -4 & a\\
\end{pmatrix}
$$
2
$$
X=\begin{pmatrix}
1& 6 & 0 & -2 & 1 & 0\\
2 & b& 2 & 1 & 4& 3\\
-1& 9 & -3 & 7 & 1 & -1\\
2& -1 & 0 & 1 & 6 & 0\\
-1& -4 & -3 & 2 & b & 2\\
-7& -1 & 1 & -1 & 9 & -3
\end{pmatrix}
$$
が実対角化可能な$b$の範囲を求めよ。
ヒント1は1のヒント、ヒント2-4が2のヒントです。
$\displaystyle\frac{\fbox{ア}}{\fbox{イ}}<a<\frac{\fbox{ウ}}{\fbox{エ}}$、$\displaystyle\frac{\fbox{オ}}{\fbox{カ}}<b<\frac{\fbox{キ}}{\fbox{ク}}$
である。$\fbox{ア}$から順に1行ごとに答えよ。
ただし、任意の$a$で成立しないときは
$$
\fbox{ア}=00,\fbox{イ}=00,\fbox{ウ}=00,\fbox{エ}=00
$$
とし、任意の$a$で成立するときは
$$
\fbox{ア}=000,\fbox{イ}=000,\fbox{ウ}=000,\fbox{エ}=000
$$
のように答えてください。$b$も同様です。
1 $A$は対称行列である。対称行列の最大の固有値と最小の固有値は内積と$\sup,\inf$を用いて表現できる。
対角成分と最大の固有値、最小の固有値の間にどういう関係があるか考える。
2 $X$をよく見ると
$$
\begin{pmatrix}
P & -Q\\
Q & P
\end{pmatrix}
$$
という形をしている。これと複素数を関連付ける
$P+iQ$の固有値と$X$の固有値の関係を調べる。($i$は虚数単位)
一般に行列$A$が与えられたとき、固有値は計算するのが面倒だけど、固有値の総和なら簡単に求められる。固有値の総和が虚数なら、虚数固有値が少なくとも1つ存在することがわかる。