焦点距離が$f$である4つの凸レンズ$α,β,γ,δ$があり、それらの光軸がすべて一致するように置かれている。隣り合う凸レンズ間の距離はすべて$f$である。
いま、長さ$a$の矢印型の物体を光軸上に、光軸と直交するように置く。このとき、物体と凸レンズ$α$のレンズ面の間の距離は$d$である。物体の先端(矢の部分)を点$A$、点$A$から光軸に下ろした垂線の足を$B$、凸レンズ$α,β,γ,δ$の中心を$C,D,E,F$、また凸レンズ$α,δ$の焦点のうち、他の凸レンズの中心でないものをそれぞれ$F_1,F_2$とする。点$A$から発せられた光のうち、光軸に平行なもの及びそれが屈折したものと凸レンズ$α,γ,δ$との交点を$G,H,I$、点$C$を通るもの及びそれが屈折したものと凸レンズ$β,γ$との交点を$J,K$、点$F_1$を通るものと凸レンズ$α,β,δ$との交点を$L,M,N$とする。更に、直線$KF,IF_2$の交点を$O$とし、点$O$から光軸に下ろした垂線の足を$P$とするとき、$OP=b$である。
以下では、レンズ面を十分広いものとして扱い、物体から発せられた光は必ず凸レンズを通過するものと考える。また、$xy$平面とは$F_2$を原点、光軸を$x$軸、直線$RF_2$を$y$軸とする平面であるものとする。
⑴$EK$を、$a,d,f$を用いて表せ。
⑵$FP$を、$a,b,d$を用いて表せ。
⑶$OP$を、$a,d,f$を用いて表せ。
⑷$NF$を、$a,d,f$を用いて表せ。
以上のことより、この実験では物体と①(同じ向き・反対向き)の②(実像・虚像)ができると分かる。⋯(※)
次に、点$F_2$を中心とし、その光軸が他の凸レンズの光軸と一致する凸レンズ$ε$を置いた。この凸レンズのレンズ面と直線$KF$の交点を$Q$、点$N$を通り光軸な平行の光との交点を$R$とする。また、この凸レンズの焦点のうち$F_1$でないほうを$F_3$とする。更に、直線$IF_2$と$RF_3$との交点を$S$、点$Q$を通り光軸に平行な光との交点を$T$とする。凸レンズ$ε$を置いた以外は、一切操作を加えていないものとする。
⑸(※)の文章が正しいものとなるように、括弧の中に当てはまる内容を1つずつ選べ。
⑹$xy$平面上における直線$F_2S$の式を求めよ。ただし、左辺に$y$、右辺に$x$を用いた式が置かれる形で答えること。
⑺$xy$平面上における直線$RS$の式を求めよ。ただし、左辺に$y$、右辺に$x$を用いた式が置かれる形で答えること。
⑻$xy$平面上における$T$の座標を、$a,d,f$を用いて表せ。
⑼$xy$平面上における$S$の座標を、$a,d,f$を用いて表せ。
このことから、前の実験と同様に像ができると分かる。
⑽点$T$と光軸の間の距離を$b'$とする。$\frac{1}{b'}$を、$a,b$を用いて表せ。
緩歩動物など一部の動物は、周囲が乾燥してくると体を縮め、代謝をほぼ止めて「乾眠」の状態に入る。乾眠個体は、過酷な条件にさらされた後も、水を与えれば再び動き回ることができる。
乾眠状態には瞬間的になれるわけではなく、ゆっくりと乾燥させなければあっけなく死んでしまう。乾燥状態になると、体内のグルコースをトレハロース($C_{12}H_{22}O_{11}$)に作り変えて極限状態に備える。いずれ酸素の代謝も止まり、完全な休眠状態になる。ただし、クマムシではトレハロースの顕著な蓄積が確認されておらず、どのように乾眠状態に入るのかは未だ不明である。
これらの乾眠個体は非常に大きな耐性強度を持つことで知られており、下のように過酷な環境にも耐えることができる。
・通常は体重の$85.0$%をしめる水分を$3$%以下まで減らし、極度の乾燥状態にも耐える。
・$100℃$の高温から、ほぼ絶対零度($−273℃$)の極低温にも耐える。
・ほぼ真空から$75000$atmの高圧にも耐える。
・高線量の紫外線、X線、ガンマ線等の放射線に耐える。X線の半数致死量は$3200$Sv。
ただし、放射線を$1$Sv受けたとき、$1$Kgあたり$0.8$Jのエネルギーを受け取ったことになる。また、ここでの半数致死量とは、実験動物に放射線を浴びせたとき、その半数が死亡する放射線の強さを表す。あとの設問を解くにあたって必要ならば、個体差を考慮することなく、問題文中に提示された数値をそのまま用いてよい。
⑴グルコースがトレハロースに置き換わる化学変化に関連して、
①反応物と最終的な生成物に着目した化学反応式で表せ。
②一般的にトレハロースを含む食品をア〜オからすべて選べ。
ア ビール イ 牛乳 ウ 食パン エ スターフルーツ オ しいたけ
⑵質量$w_1$の乾眠個体の水分量は、体重の$1.0$%であった。ただし、この乾眠個体はクマムシではないことが分かっている。炭素原子、水素原子、酸素原子の質量比$C:H:O=12:1:16$とする。
①この乾眠個体に蓄積されているトレハロースの質量を、$w_1$を用いて表せ。
②この個体が乾眠する前に蓄積されていたグルコースの質量として考えられる最も大きな値を、$w_1$を用いて表せ。
⑶乾眠した$1000$匹のクマムシが宇宙空間に放出され、太陽から$3200$SvのX線を受けた。このあと充分な量の水をかけると再び動き回る個体は約何匹だと考えられるか。最も適切なものをア〜オから1つ選べ。また、そのようになる理由を説明せよ。
ア $0$匹 イ $250$匹 ウ $500$匹 エ $750$匹 オ $1000$匹
⑷乾眠した$1000$匹のクマムシを、$100℃$に沸騰させたお湯の中に入れた。このあと充分な量の水をかけると再び動き回る個体は約何匹だと考えられるか。最も適切なものをア〜オから1つ選べ。また、そのようになる理由を説明せよ。
ア $0$匹 イ $250$匹 ウ $500$匹 エ $750$匹 オ $1000$匹
塩酸と硝酸を体積比$3:1$、もしくは塩酸がさらに多くなるような比率で混合した物質を王水という。王水は非常に強い酸化力を持っており、金や白金でさえも溶解することができる。王水がどのような仕組みで貴金属を溶解するのか、以下では金を例に挙げて考えていこう。
塩酸と硝酸を混合したとき、次の化学反応が起きる。
$$[ A ]$$
この反応により$( Ⅰ )$、水、塩素が発生する。$( Ⅰ )$は非常に強い酸化剤として機能し、イオン化傾向の小さい貴金属も溶解することができる。この物質により、王水に金を入れると、次の化学反応が起きる。
$$[ B ]$$
この反応により、$( Ⅱ )$、テトラクロリド金(Ⅲ)酸が発生する。ただし、テトラクロリド金(Ⅲ)酸は、水溶液中で$H^+$と$[AuCl_4]^−$に電離している。このようにして、王水は金を溶解するのである。
王水の性質を調べるため、以下の【実験1】〜【実験4】を行った。
【実験1】
塩酸と硝酸を混合して放置すると、数秒で無色から橙色に変化した。橙色は徐々に濃くなっていったが、しばらくすると色の変化は見られなくなった。この王水に金を入れたが、ほとんど溶解しなかった。
【実験2】
王水に黄鉄鉱$(FeS_2)$を入れると、黄鉄鉱は溶解し、硫酸と一酸化窒素が発生した。
【実験3】
王水にスズを入れると、スズは溶解し、一酸化窒素と二酸化窒素が発生した。
【実験4】
王水に銀を入れると、銀がわずかに溶解した後、ほとんど反応が進行しなかった。
⑴文章中の$[ A ],[ B ]$に当てはまる化学反応式を答えよ。
⑵文章中の$( Ⅰ ),( Ⅱ )$に当てはまる物質名を答えよ。
⑶【実験1】において、金がほとんど溶解しなかった理由を、塩酸と硝酸の反応による生成物の性質に着目して説明せよ。
⑷【実験2】、【実験3】の化学変化を化学反応式で表せ。
⑸【実験4】において、
①銀が溶解する化学変化を化学反応式で表せ。
②ほとんど反応が進行しなかった理由を、反応による生成物に着目して説明せよ。
$1$ から $30$ までの自然数が書かれたカードがそれぞれ $1$ 枚ずつの計 $30$ 枚ある。
この中から $1$ 枚を引き,書かれている数字を確認してから束に戻す操作を $11$ 回繰り返す。
この $11$ 回の操作で得られた自然数を小さい順にならべ,$A_{1}$ から $A_{11}$ とする。
$A_{1}$ から $A_{11}$ は以下の条件を満たしている。
<条件>
① $A_{1}$ から $A_{11}$ は相異なる自然数である。
② データの範囲は $27$ である。
③ データの四分位範囲 [$\mathrm{IQR}$] は $9$ である。
④ 四分位数 [$Q_1,Q_2,Q_3$] はこの順に等比数列になっている。
⑤ 中央値と平均値 [$\bar{A}$] の差の絶対値は $1$ である。
⑥ $A_7$ から $A_{11}$ までの $5$ つの数の和は $A_1$ から $A_5$までの $5$ つの数の和のちょうど $2$ 倍である。
⑦ $A_{1}$ から $A_{11}$ の中に立方数が $2$ つある。
⑧ このデータのうち四分位数を除いた $8$ 個の数字を $2$ つずつに分けてできた $4$ つの数字の組
$(A_1,A_2),(A_4,A_5),(A_7,A_8),(A_{10},A_{11})$ について、それぞれの組に $1$ つずつ素数がある。
⑨ このデータには外れ値が $1$ つ存在する。ただし外れ値は以下の通りに定義する。
[$Q_1-1.5 \times \mathrm{IQR}$ 以下 または $Q_3+1.5 \times \mathrm{IQR}$ 以上]
問 このデータの要素を決定せよ。
$A_1$ から $A_{11}$ までの11個の自然数を半角空白区切りで1行で回答
問題の不備などありましたら,
感想から教えてくださるとありがたいです。
どの$2$辺の長さも等しくない鋭角三角形$ABC$の外心,垂心をそれぞれ$O,H$とし,辺$BC$の中点を$M$とします.
$A,B,C$から対辺に下ろした垂線の足をそれぞれ$D,E,F$とし,直線$DE$と直線$AB$の交点を$P$,直線$DF$と直線$AC$の交点を$Q$とすると,$$
EF=4 AH=5 PQ||AM$$が成り立ちました.直線$PQ$と直線$OH$との交点を$R$とするとき,線分$OR$の長さの$2$乗は互いに素な正整数$a,b$を用いて$\dfrac{a}{b}$と表されるので,$a+b$の値を解答してください.
半角で解答してください.
$ $ 原点を $O$ とする $xy$ 平面において,(正とは限らない)整数 $n$ に対し座標 $(60, n)$ の点を $P_n$ と表します.$n$ を整数全体で動かしたとき,線分 $OP_n$ の長さとしてあり得る整数値の総和を求めて下さい.
半角英数にし,答えとなる正整数値を入力し解答して下さい.
点$O_1,O_2$を中心とする円$\omega_1,\omega_2$が異なる$2$点$A,B$で交わっている。これらの共通外接線のうち直線$O_1O_2$に関して$B$と同じ側に接点を持つ物を$l$とし、$\omega_1,\omega_2$との接点を$S_1,S_2$とする。
直線$AB$と$l$の交点を$X$とし、$X$から$\omega_1,\omega_2$に引いた($l$以外の)接線の接点を$T_1,T_2$とすると、$O_1,T_2,S_2$ / $O_2,T_1,S_1$はそれぞれ一直線上にあった。
$\omega_1$の半径が$\sqrt{3}$、$S_1X=\sqrt{2}$のとき、五角形$AO_1S_1S_2O_2$の面積を求めてください。
求める値は正整数$a$及び、互いに素な正整数$b,c$、平方因子を持たない正整数$d$により$a+\dfrac{b\sqrt{d}}{c}$
と表せるので、$a+b+c+d$を半角英数字で入力してください。