$n$ 個のさいころを振り,その目の和 $S(n)$ が $m$ を法として,$k (0\leqq k \leqq m-1)$ である確率を $p_{m}(k,n)$ と表す。
$m=2$ のとき,$S(n)\equiv0,1 \pmod{2}$ であるときに,$n+1$ 個目のさいころの目がそれぞれ,2,4,6または1,3,5であれば,$S(n+1)\equiv 0 \pmod{2}$ となるから
$$
p_{2}(0,n+1)\\
=\frac{1}{2}(p_{2}(0,n)+p_{2}(1,n))\\
=\frac{1}{2}(p_{2}(0,n)+1-p_{2}(0,n))\\
=\frac{1}{2}
$$
また,1つのさいころを振るとき,$S(1)=1,2,3,4,5,6$であるから,$\displaystyle p_{2}(0,1)=\frac{1}{2}$.
よって
$$
p_{2}=\frac{1}{2}
$$
以下では,$m\geqq3$ のときに $p_{m}<\frac{1}{2}$ を示す。
$\bmod{m}$ において,その値は周期 $m$ で循環しているから,法を $m$ として,ある値 $k$ となるようなさいころの目は,多くても2つである。よって
$$
p_{m}(k,1)\leqq \frac{1}{3} (0\leqq k \leqq m-1)
$$
であり $n=1$ のとき
$$
p_{m}\leqq \frac{1}{3}<p_{2}.
$$
また,$S(n)\equiv -6, -5, -4, -3, -2, -1 \pmod m$ のときに,$S(n+1) \equiv 0 \pmod m$ となるようなさいころの目は,それぞれ最大で2個存在する。
$3\leqq m \leqq 6$ のときには,
$$
p_{m}(0,n+1)\\
=\sum_{k=1}^{m}p_{m}(k,1)p_{m}(-k,n)\\
\leqq \frac{1}{3} \sum_{k=1}^{m}p_{m}(-k,n)
$$
また $m\geqq 7$ のときには,
$$
p_{m}(0,n+1)\\
=\sum_{k=1}^{6}p_{m}(k,1)p_{m}(-k,n)\\
\leqq \frac{1}{3} \sum_{k=1}^{6}p_{m}(-k,n)\\
\leqq \frac{1}{3} \sum_{k=1}^{m}p_{m}(-k,n)
$$
ここで,
$$
\sum_{k=1}^{m}p_{m}(k,n)=\sum_{k=1}^{m}p_{m}(-k,n)=1
$$
であるから
$$
p_{m}(0,n+1)\\
\leqq \frac{1}{3} \sum_{k=1}^{m}p_{m}(-k,n)\\
=\frac{1}{3}<\frac{1}{2}
$$
これより,$m\geqq3$ のときは,$p_{m}<p_{2}$。
以上から,$p_{m}$ が最大となるのは,$m=2$ のときである。