言語学オリンピックでよく出題される「語対応」と呼ばれるパターンの問題です。
(a)
1. 涙(目の水)
2. 真水(白い水)
3. 石
4. 赤い石
5. まつげ(「目の毛」cf. ま「目」+つ「~の」+げ「毛」)
6. 休日(「赤い日」、カレンダーの色から?)
7. 最初の日
8. 最初の家
9. 太陽(「日の目」)
10. インドネシア国旗(「赤白」)
11. 焼き飯(焼いた米)
12. 白米(白い米)
(b)
1. hari
2. air
3. mata merah
4. rumah batu
5. nasi merah(「赤い米」。nasi merahで検索すると赤い玄米の写真が見つかる)
注を見ましょう。インドネシア国旗=「赤白」は注が無いと厳しそう。
(b)の「日」「水」「赤い目」は、与えられているデータの中に「日」「水」「目」という語が含まれていることを示唆しており、「涙」を「目の水」と分解するためのヒントにもなります。
「石」のような基本的な単語は一語だろうと予想できると良い。
頻度解析は時間がかかるので行き詰まって手が動かなくなったときにやると良いかもしれません。
batu=「石」と仮定すると、batu merah=「赤い石」と分かり、さらに語順が主要部+付加部だと分かる。
hari merahとMerah Putihがmerahを含んでいるが、Merah Putihのほうが固有名詞っぽいし、他に「赤」が主要部になりそうな選択肢がないためputih=白とわかる。
nasi putih、air putihのどちらかが「白米」だが、air putihが「白米」だとするとair mata=「焼き飯」、mata=「焼き?」となるが、「焼き」を含みそうな選択肢は3つもありそうに思えない。
nasi putih=「白米」とするとgoreng=「焼き」、nasi=米となる。
ここから頻度解析が効くところで、残りの選択肢について頻度解析をすると、
前 | 後 | |
---|---|---|
air | 2 | 0 |
mata | 1 | 2 |
putih | 0 | 1 |
bulu | 1 | 0 |
hari | 2 | 1 |
merah | 0 | 1 |
pertama | 0 | 2 |
rumah | 1 | 0 |
涙=目+水
真水=真+水 ((b)を見ると「水」があるため、「真水」は二語であると予想できる)
まつげ=目+毛
休日=休み?+日
最初の日=最初+日
太陽=?+日
最初の家=最初+家
とすると、
被修飾語 | 修飾語 | |
---|---|---|
目 | 0 | 2 |
水 | 2 | 0 |
真 | 0 | 1 |
毛 | 1 | 0 |
休み | 0 | 1 |
日 | 3 | 0 |
最初 | 0 | 2 |
家 | 1 | 0 |
頻度を見るとair、hariのどちらかが「水」、「日」っぽく、mata、pertamaが「目」「最初の」のどちらかっぽく、bulu、rumahが「毛」「家」のどちらかっぽい。
まずair putihとhari merahが解釈できるようにする。air=「日」、hari=「水」と仮定するとhari merah=「赤い水」となりよくわからない。日と水を逆にしてair putih=「白い水」ならまだ「真水」っぽいのでこっちにしておく。
mata=「最初の」、pertama=「目」とすると、air mata=「最初の水」がよく分からない。逆にすると、air mata=「目の水(=涙)」hari pertama=「最初の日」となり都合が良い。
matahariはmata+hariとなっており、文字通りには「日の目」と訳せるが、まあ目は丸いし、「太陽」なら一単語であることに納得できる。
残りもbulu mata=まつげ、rumah pertama=「最初の家」だとわかる。
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