p2q3+s2≥22⋅23+22=36>24 より,s>2 だから,s は奇数である.ゆえに,pq と r の一方は偶数,もう一方は奇数である.このことに注意して,以下のように場合分けして考える.
[1] p=2 の場合
与式を変形して4q3=(s2−r)(s2+r)を得る.このとき,s2−r<s2+r が成り立つこと,および s2−r と s2+r の偶奇が一致することに注意する.ここで,q の偶奇で場合分けする.
(1) q=2 の場合
25=(s2−r)(s2+r) より,(s2−r,s2+r)=(2,24),(22,23) である.
前者の場合,r=7,s=3 で適する.
後者の場合,r=2,s=±√6 となり適さない.
したがって,(p,q,r,s)=(2,2,7,3) は求める組の一つである.
(2) q≠2 の場合
q は奇数であるから,4q3=(s2−r)(s2+r) より,(s2−r,s2+r)=(2q,2q2) である.これを解くと s2=q(q+1) となり,q,s がともに素数であることに反する.よって不適.
[2] p≠2 かつ q=2 の場合
与式を変形して 8p2=(s2−r)(s2+r) を得る.このとき,s2−r<s2+r が成り立つこと,および s2−r と s2+r の偶奇が一致することに注意すると,p が奇数であることから,(s2−r,s2+r)=(2p,4p) を得る.これを解くと s2=3p となり,s が素数であることから s=3 ,p=3 をそれぞれ得る.このとき r=3 となり,適する.すなわち (p,q,r,s)=(3,2,3,3) は求める組の一つである.
[3] p,q≠2 かつ r=2 の場合
与式を変形して p2q3=(s2−2)(s2+2) を得る.このとき,s2+2=(s2−2)+4 が成り立つことに注意する.ここで,s の値で場合分けする.
(1) s≡0(mod3) すなわち s=3 の場合
p2q3=77=7⋅11 となるが,これを満たす素数 p,q は存在しないため不適.
(2) s≡±1(mod3) すなわち s2≡1(mod3) の場合
s2−2≡1(mod3),s2+2≡0(mod3) より,p および q の一方のみが 3 である.
(i) p=3 かつ q≠3 の場合
9q3=(s2−2)(s2+2) より,(s2−2,s2+2)=(1,9q3),(q,9q2),(q2,9q),(q3,9) である.
1つ目の組は,q>3 により 9q3>243>1+4 が成り立つため,不適.
2つ目の組は,q>3 により 9q2−(q+4)=9(q−118)2+14536>154936>0 すなわち 9q2>q+4 が成り立つため,不適.
3つ目の組は,変形すると 2s2=q(q+9) となり,q が素数であることにより q=2 となるが,これは仮定に反し不適.
4つ目の組は,変形すると q3=5 となるが,これは q が素数であることに反し不適.
(ii) q=3 かつ p≠3 の場合
27p2=(s2−2)(s2+2) より,(s2−2,s2+2)=(1,27p2),(p,27p),(p2,27) である.
1つ目の組は,p>3 により 27p2−1>242>4 すなわち 27p2>1+4 が成り立つため,不適.
2つ目の組は,p>3 により 27p−(p+4)=26p−4>74>0 すなわち 27p>p+4 が成り立つため,不適.
3つ目の組は,変形すると q2=23 となるが,これは q が素数であることに反し不適.
[1]~[3]より,求めるべき組は (p,q,r,s)=(2,2,7,3),(3,2,3,3) であるから,n=2 である.また,それぞれの組について S=14,11 であるから,N=14⋅11=154 である.
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