$p^{2}q^{3}+s^{2}\geq2^{2}\cdot2^{3}+2^{2}=36>2^{4}$ より,$s>2$ だから,$s$ は奇数である.ゆえに,$pq$ と $r$ の一方は偶数,もう一方は奇数である.このことに注意して,以下のように場合分けして考える.
[1] $p=2$ の場合
与式を変形して$$4q^{3}=\left(s^{2}-r\right)\left(s^{2}+r\right)$$を得る.このとき,$s^{2}-r<s^{2}+r$ が成り立つこと,および $s^{2}-r$ と $s^{2}+r$ の偶奇が一致することに注意する.ここで,$q$ の偶奇で場合分けする.
(1) $q=2$ の場合
$2^{5}=\left(s^{2}-r\right)\left(s^{2}+r\right)$ より,$\left(s^{2}-r,s^{2}+r\right)=\left(2,2^{4}\right),\left(2^{2},2^{3}\right)$ である.
前者の場合,$r=7,s=3$ で適する.
後者の場合,$r=2,s=\pm\sqrt{6}$ となり適さない.
したがって,$(p,q,r,s)=(2,2,7,3)$ は求める組の一つである.
(2) $q\neq2$ の場合
$q$ は奇数であるから,$4q^{3}=\left(s^{2}-r\right)\left(s^{2}+r\right)$ より,$\left(s^{2}-r,s^{2}+r\right)=\left(2q,2q^{2}\right)$ である.これを解くと $s^{2}=q\left(q+1\right)$ となり,$q,s$ がともに素数であることに反する.よって不適.
[2] $p\neq2$ かつ $q=2$ の場合
与式を変形して $$8p^{2}=\left(s^{2}-r\right)\left(s^{2}+r\right)$$ を得る.このとき,$s^{2}-r < s^{2}+r$ が成り立つこと,および $s^{2}-r$ と $s^{2}+r$ の偶奇が一致することに注意すると,$p$ が奇数であることから,$\left(s^{2}-r,s^{2}+r\right)=\left(2p,4p\right)$ を得る.これを解くと $s^{2}=3p$ となり,$s$ が素数であることから $s=3$ ,$p=3$ をそれぞれ得る.このとき $r=3$ となり,適する.すなわち $(p,q,r,s)=(3,2,3,3)$ は求める組の一つである.
[3] $p,q\neq2$ かつ $r=2$ の場合
与式を変形して $$p^{2}q^{3}=\left(s^{2}-2\right)\left(s^{2}+2\right)$$ を得る.このとき,$s^{2}+2=\left(s^{2}-2\right)+4$ が成り立つことに注意する.ここで,$s$ の値で場合分けする.
(1) $s\equiv0\pmod3$ すなわち $s=3$ の場合
$p^{2}q^{3}=77=7\cdot11$ となるが,これを満たす素数 $p,q$ は存在しないため不適.
(2) $s\equiv\pm1\pmod3$ すなわち $s^{2}\equiv1\pmod3$ の場合
$s^{2}-2\equiv1\pmod3,s^{2}+2\equiv0\pmod3$ より,$p$ および $q$ の一方のみが $3$ である.
(i) $p=3$ かつ $q\neq3$ の場合
$9q^{3}=\left(s^{2}-2\right)\left(s^{2}+2\right)$ より,$\left(s^{2}-2,s^{2}+2\right)=\left(1,9q^{3}\right),\left(q,9q^{2}\right),\left(q^{2},9q\right),\left(q^{3},9\right)$ である.
1つ目の組は,$q>3$ により $9q^{3}>243>1+4$ が成り立つため,不適.
2つ目の組は,$q>3$ により $9q^{2}-\left(q+4\right)=9\left(q-\dfrac{1}{18}\right)^{2}+\dfrac{145}{36}>\dfrac{1549}{36}>0$ すなわち $9q^{2}>q+4$ が成り立つため,不適.
3つ目の組は,変形すると $2s^{2}=q\left(q+9\right)$ となり,$q$ が素数であることにより $q=2$ となるが,これは仮定に反し不適.
4つ目の組は,変形すると $q^{3}=5$ となるが,これは $q$ が素数であることに反し不適.
(ii) $q=3$ かつ $p\neq3$ の場合
$27p^{2}=\left(s^{2}-2\right)\left(s^{2}+2\right)$ より,$\left(s^{2}-2,s^{2}+2\right)=\left(1,27p^{2}\right),\left(p,27p\right),\left(p^{2},27\right)$ である.
1つ目の組は,$p>3$ により $27p^{2}-1>242>4$ すなわち $27p^{2}>1+4$ が成り立つため,不適.
2つ目の組は,$p>3$ により $27p-\left(p+4\right)=26p-4>74>0$ すなわち $27p>p+4$ が成り立つため,不適.
3つ目の組は,変形すると $q^{2}=23$ となるが,これは $q$ が素数であることに反し不適.
[1]~[3]より,求めるべき組は $(p,q,r,s)=(2,2,7,3),(3,2,3,3)$ であるから,$n=\mathbf{2}$ である.また,それぞれの組について $S=14,11$ であるから,$N=14\cdot11=\mathbf{154}$ である.
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