次の実数 $a,b,c$ に対し,つねに $|ax+by|\leqq |c|$ となる実数 $x,y$ の和の値域幅を求めよ.
まず,方程式の一方が $0p+0q=0$ の形なら他方も同じ形になり,それ以外は係数比の一致から以下のように表せる.$$ka=b-c,\quad kb=c+a,\quad kc=a+7b\quad (k\neq 0)$$ ここで,$k(a+b)=a+b$ から $k=1$ のとき,$a=b-c=c-7b$ より $c=4b,\ a=-\,3b$ であり,$a=-\,b$ のとき,$b:c=(c-b):6b$ を整理して $c=-\,2b,3b$ を得る.よって,実数 $a,b,c$ の比は $(-\,3,1,4),(1,-\,1,2),(-\,1,1,3)$ に絞られて,$3x-y=r,\ x-y=s$ とおくと,$|r|\leqq 4,\ |s|\leqq 2$ より $x+y=r-2s$ の値域幅は $8+8=\boldsymbol{16}$ となる.
$xy$ 平面の平行四辺形 $|3x-y|\leqq 4,\ |x-y|\leqq 2$ と直線 $x+y=t$ が共有点をもつ条件からも $-\,8\leqq t\leqq 8$ を導ける.
また,その四辺形は原点対称かつ二頂点が $(1,-\,1),(3,5)$ であり,$rs$ 平面の長方形 $|r|\leqq 4,\ |s|\leqq 2$ に写した面積比は $\dfrac{8\cdot 4}{2|5+3|}=2$ より線形変換 $\begin{pmatrix} x \\ y \end{pmatrix}\mapsto\begin{pmatrix} r \\ s \end{pmatrix}$ の行列 $A=\begin{pmatrix} 3 & -\,1 \\ 1 & -\,1 \end{pmatrix}$ における $|\det A|$ の値と一致することがわかる.
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