$(XYZ)$ のようにして,いくつかの点を通る円を表すものとする.
$l$ と $m$ の交点を $O$ とする.このとき,$3$ 点 $O,X,Y$ が一直線上にあることを示そう.
まず,$(OAB)$と直線 $AX$ の交点であって,$O$ でないものを $G$ とし,$3$ 直線 $AC,BD,XG$ が一点で交わることを示す.
以下,$G$ の位置で場合分けして考える.まず,$G$ が端点を除く線分 $OX$ 上にある場合,$\angle AXG=\angle ABO=\angle ACX$ より,内接四角形の定理の逆から,$4$ 点 $A,C,X,G$ は同一円周上にある.同様に,$4$ 点 $B,D,X,G$ は同一円周上にある.このとき,直線 $OX$ は $(ACXG)$ と $(BDXG)$ の根軸である.また,直線 $AC$ は $(ACDB)$ と $(ADXG)$ の,直線 $BD$ は $(ACDB)$ と $(BDXG)$ の根軸であるから,$3$ 直線 $AC,BD,XG$ は一点で交わる.
次に,$G$ が線分 $OX$ の $X$ 側の延長上にある場合,$\angle AGX=\angle ABO=\angle ACX$ より,円周角の定理の逆から,4点 $A,C,G,X$ は同一円周上にある.同様に,$4$ 点 $B,D,G,X$ は同一円周上にある.このとき,直線 $OX$ は $(ACGX)$ と $(BDGX)$ の根軸である.また,直線 $AC$ は $(ACDB)$ と $(ADGX)$ の,直線 $BD$ は $(ACDB)$ と $(BDGX)$ の根軸であるから,$3$ 直線 $AC,BD,XG$ は一点で交わる.
最後に,$G=X$ の場合,$\angle AGO=\angle ABO=\angle ACG$ より,$(ACG)$ は直線 $OX$ に接する.同様に,$(BDG)$ も直線 $OX$ に接するから,直線 $OX$ は $(ACG)$ と $(BDG)$ の根軸である.また,直線 $AC$ は $(ACDB)$ と $(ADG)$ の,直線 $BD$ は $(ACDB)$ と $(BDG)$ の根軸であるから,$3$ 直線 $AC,BD,XG$ は一点で交わる.
以上より,いずれの場合にも,$3$ 直線 $AC,BD,XG$ が一点で交わることが示された.この点を $H$ とする.また,直線 $HX$ と線分 $CD$ の交点を $I$ とする.このとき,チェバの定理より $$\dfrac{HA}{AC}\cdot\dfrac{CI}{ID}\cdot\dfrac{DB}{BH}=1$$ メネラウスの定理より $$\dfrac{HO}{OX}\cdot\dfrac{XE}{EC}\cdot\dfrac{CA}{AH}=1$$ $$\dfrac{HB}{BD}\cdot\dfrac{DF}{FX}\cdot\dfrac{XO}{OH}=1$$ 以上 $3$ 式を辺々掛け合わせることにより,$$\dfrac{XE}{EC}\cdot\dfrac{CI}{ID}\cdot\dfrac{DF}{FX}=1$$ したがって,チェバの定理の逆より,$3$ 直線 $CF,DE,XI$ が一点で交わる,すなわち $Y$ が直線 $OX$ 上にあることが示された.
さて,$l\parallel PC$ より $\angle APC=\angle OAP$,接弦定理より $\angle ACP=\angle OAP$ なので,$\angle APC=\angle ACP$ すなわち $PA=AC=3$ である.同様に,$PB=BD=6$ である.またこれより,$\angle AXC=\angle ABX+\angle BAX=\angle ACP+\angle BCP=\angle ACX$ より,$AX=AC=3$ であり,同様に $\angle BXD=\angle BDX$ なので,$BX=BD=6$ である.このとき,$DX=x$ とおくと,余弦定理より $$\cos\angle AXB=\dfrac{AX^{2}+BX^{2}-AB^{2}}{2\cdot AX\cdot BX}=-\dfrac{2}{3}$$ $$\cos\angle BXD=\dfrac{BX^{2}+DX^{2}-BD^{2}}{2\cdot BX\cdot DX}=\dfrac{x^{2}}{12x}=\dfrac{x}{12}$$ ここで $\cos\angle BXD=-\cos\angle AXB$ なので,$\dfrac{x}{12}=\dfrac{2}{3}\Leftrightarrow x=8$ である.このとき,方べきの定理より,$CX=\dfrac{AX\cdot DX}{BX}=4$ である.また,$\angle OAB=\angle OBA=\angle BDX=\angle BXD$ より $\triangle OAB\sim\triangle BDX$ なので,$OA=BD\cdot\dfrac{DX}{AB}=\dfrac{3\sqrt{69}}{4}$ である.さらに,$l\parallel PC$ より $\angle AEC=\angle PCB=\angle PAB$,内接四角形の定理より $\angle ACE=\angle APB$ なので $\triangle AEC\sim \triangle BAP$ であるから,$AE=AB\cdot\dfrac{AC}{PB}=\dfrac{\sqrt{69}}{2}$,$EC=PA\cdot\dfrac{AC}{PB}=\dfrac{3}{2}$ である.このとき,$OX=y$ とおくと,余弦定理より $$\cos \angle EAX=\dfrac{AE^{2}+AX^{2}-EX^{2}}{2\cdot AE\cdot AX}=-\dfrac{4}{3\sqrt{69}}$$ $$\cos\angle OAX=\dfrac{AO^{2}+AX^{2}-OX^{2}}{2\cdot AX\cdot AO}=\dfrac{765-16y^{2}}{72\sqrt{69}}$$ ここで $\cos\angle OAX=-\cos\angle EAX$ なので,$\dfrac{765-16y^{2}}{72\sqrt{69}}=\dfrac{4}{3\sqrt{69}}\Leftrightarrow y=\dfrac{\sqrt{669}}{4}$ である.
ここでメネラウスの定理より,$\dfrac{OE}{EA}\cdot\dfrac{AD}{DX}\cdot\dfrac{XY}{YO}=1$ が成り立つから,$\dfrac{5}{2}\cdot\dfrac{11}{8}\cdot\dfrac{XY}{YO}=1\Leftrightarrow\dfrac{XY}{YO}=\dfrac{16}{55}\Leftrightarrow XY=\dfrac{16}{39}OX=\boldsymbol{\dfrac{4\sqrt{669}}{39}}$
特に求めるべき値は,$4+669+39=\boldsymbol{712}$
既出かもしれませんが,ほかに $3$ 直線 $AB,CD,EF$ が一点で交わることがデザルグの定理により示せます.
きちんと図形の性質も使ってはいますが,計算が大変すぎ,結局は作業量が多いだけの問題になってしまったので,悪問だと思います.いい解法があれば教えていただけると幸いです.
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