(1)$\displaystyle E(t)=\lbrace x'(t)\rbrace^2+\frac{\lbrace x(t)\rbrace^2}{1+\lbrace x(t)\rbrace^2}$ とおくと、
$$
\begin{eqnarray}
E'(t)&=&2x'(t)x''(t)+x'(t)\cdot\frac{2x(t)}{(1+\lbrace x(t)\rbrace^2)^2} \\
&=&2x'(t)\left(x''(t)+\frac{x(t)}{(1+\lbrace x(t) \rbrace^2)^2}\right) \\
&=&0
\end{eqnarray}
$$
なので $E(t)$ は $t$ によらない定数で、$\displaystyle E(t)=E(0)=a^2+\frac{1}{9}$である。
$\displaystyle a \geq\frac{2\sqrt2}{3}$ のとき、$x$ によらず $\displaystyle a^2+\frac{1}{9}-\frac{x^2}{1+x^2}>0$なので、
$$
x'(t)=\pm\sqrt{a^2+\frac{1}{9}-\frac{\lbrace x(t) \rbrace^2}{1+\lbrace x(t) \rbrace^2}}
$$
となる。いま $x'(0)=a>0$ なので$+$の符号を採用して、解 $x(t)$ は微分方程式
$$
x'(t)=\sqrt{a^2+\frac{1}{9}-\frac{\lbrace x(t) \rbrace^2}{1+\lbrace x(t) \rbrace^2}} \ \ \ \ \ \ \cdots(\ast)
$$
に従うことがわかる。有限の $x$ の値に対して右辺が $0$ となることはなく常に $x'(t)>0$ なので、$\displaystyle \lim_{t \to +\infty}x(t)=+\infty$ となる。
一方 $\displaystyle a<\frac{2\sqrt2}{3}$ のとき、$uv$ 平面上で $\displaystyle v^2+\frac{u^2}{1+u^2}=a^2+\frac{1}{9}$ を満たす点$(u,v)$の集合は原点を囲む閉曲線となる。解 $x(t)$ に対して点$(u,v)=(x(t),x'(t))$ は $t$ によらずこの閉曲線上にあるので、$\displaystyle \lim_{t \to +\infty}x(t)=+\infty$ となることはない。
以上より求める $a$ の範囲は $\displaystyle a \geq\frac{2\sqrt2}{3}$ であり、$\fbox{ア}=2, \fbox{イ}=2, \fbox{ウ}=3$ が答えとなる。
(2)$\displaystyle a =\frac{2\sqrt2}{3}$ のとき $(\ast)$ は
$$
x'(t)=\frac{1}{\sqrt{1+\lbrace x(t) \rbrace^2}}
$$
となり、これは変数分離で解ける。求める $t$ の値を $t=t_0$ として、両辺に$\sqrt{1+\lbrace x(t) \rbrace^2}$をかけて $t=0$ から $t=t_0$ まで積分すると
$$
\begin{eqnarray}
\int_{\frac{\sqrt2}{4}}^{\frac{3}{4}}\sqrt{1+x^2} dx &=& \int_{0}^{t_0} dt \\
\left[\frac{1}{2}\left( x\sqrt{1+x^2}+ \log \left(x+\sqrt{1+x^2}\right) \right)\right]_{\frac{\sqrt2}{4}}^{\frac{3}{4}}&=&t_0
\end{eqnarray}
$$
これより $\displaystyle t_0=\frac{9}{32}+\frac{1}{4}\log{2}$ が得られ、$\fbox{エ}=9, \fbox{オカ}=32, \fbox{キ}=1, \fbox{ク}=4$ が答えとなる。
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