ア | イ | ウ | エ | オ | カ | キ |
---|---|---|---|---|---|---|
5 |
9 |
1 |
3 |
7 |
2 |
7 |
ク | ケ | コ | サ | シ | ス | セ |
---|---|---|---|---|---|---|
6 |
4 |
2 |
5 |
3 |
1 |
0 |
$n$ を自然数とする。$k\equiv r\;({\rm mod}\; 3)$ となる $0\leq k\leq n$ に対する和を $\displaystyle{\sum_{k\equiv r}}$ と表すことにする。まず,
$$
f_n(r)=\sum_{k\equiv r} {}_n{\rm C}_k
$$の表式を求めておく。二項定理より
$$
(1+x)^n={}_n{\rm C}_0+{}_n{\rm C}_1x+{}_n{\rm C}_2x^2+{}_n{\rm C}_3x^3+\cdots+{}_n{\rm C}_nx^n
$$が成り立つ。$1$ の虚立方根を $\omega$ とすると $\omega^3=1, \omega^2+\omega+1=0$ である。上式に $x=1,\omega, \omega^2$ を代入すると
\begin{align}
2^n&={}_n{\rm C}_0+{}_n{\rm C}_1+{}_n{\rm C}_2+{}_n{\rm C}_3+\cdots+{}_n{\rm C}_n\\
(-\omega^2)^n&={}_n{\rm C}_0+{}_n{\rm C}_1\omega+{}_n{\rm C}_2\omega^2+{}_n{\rm C}_3\omega^3+\cdots+{}_n{\rm C}_n\omega^n\\
(-\omega)^n&={}_n{\rm C}_0+{}_n{\rm C}_1\omega^2+{}_n{\rm C}_2\omega^4+{}_n{\rm C}_3\omega^6+\cdots+{}_n{\rm C}_n\omega^{2n}
\end{align}各辺を加えると
$$
3\sum_{k\equiv 0} {}_n{\rm C}_k=2^n+(-1)^n(\omega^n+\omega^{2n})=\begin{cases}
2^n+2\cdot (-1)^n & (n\equiv 0)\\
2^n-(-1)^n & (n\equiv 1,2)
\end{cases}
$$また,第 $1$ 式 $+$ 第 $2$ 式 $\times \; \omega\;+$ 第 $3$ 式 $\times \; \omega^2$ をつくると
$$
3\sum_{k\equiv 2} {}_n{\rm C}_k=2^n+(-1)^n(\omega^{n+2}+\omega^{2n+1})=\begin{cases}
2^n+2\cdot (-1)^n & (n\equiv 1)\\
2^n-(-1)^n & (n\equiv 0,2)
\end{cases}
$$同様に,第 $1$ 式 $+$ 第 $2$ 式 $\times \; \omega^2\;+$ 第 $3$ 式 $\times \; \omega$ をつくると
$$
3\sum_{k\equiv 1} {}_n{\rm C}_k=2^n+(-1)^n(\omega^{n+1}+\omega^{2n+2})=\begin{cases}
2^n+2\cdot (-1)^n & (n\equiv 2)\\
2^n-(-1)^n & (n\equiv 0,1)
\end{cases}
$$が得られる。したがって
$$
3f_n(r)=\begin{cases}
2^n+2\cdot (-1)^n & (n\equiv 3-r)\\
2^n-(-1)^n & ({\rm otherwise})
\end{cases}
$$が成り立つ。
この準備のもとで,あいこになる確率を求めていく。
$$
A=\sum_{j=1}^n a_j
$$とおく。
[1] $3$ 種類の数が選ばれるとき
$A$ を $3$ で割った余りは $0,1,2$ のいずれかだから,$a_1,\cdots, a_n$ の中に $0,1,2$ がすべて登場するとき,人 $1, \cdots, n$ のうち少なくとも $1$ 人は生存し $1$ 人は脱落する。よってこのときあいこになることはない。
[2] $1$ 種類の数のみが選ばれるとき
$a_1=\cdots=a_n$ ならば全員が生存するか脱落する。よってこのときには必ずあいこになる。これに該当する場合は $3$ 通り。
[3] $2$ 種類の数のみが選ばれるとき
(i) $0,1$ のみが選ばれるとき
$k=1,\cdots, n-1$ に対し,$a_1,\cdots, a_n$ のうち $n-k$ 個が $0$,$k$ 個が $1$ であるとする。このとき,あいこになるような $k$ が何通りあるかを求めればよい。$A=k$ だから,あいこになる条件は
$$
k\equiv 2\;({\rm mod}\; 3)
$$である。よって,あいこになる場合の数は,$f_n(2)-\delta_{n,2}$ である($\delta_{i,j}$ は $i\equiv j\pmod{3}$ のとき $1$,$i\not\equiv j$ のとき $0$ となる関数。$n\equiv 2$ のときには和から $k=n$ の項を除かなければならない)。
(ii) $0,2$ のみが選ばれるとき
$k=1,\cdots, n-1$ に対し,$a_1,\cdots, a_n$ のうち $n-k$ 個が $0$,$k$ 個が $2$ であるとする。$A=2k$ だから,あいこになる条件は
$$
2k\equiv 1\;({\rm mod}\; 3)
$$すなわち
$$
k\equiv 2\;({\rm mod}\; 3)
$$である。よって,あいこになる場合の数は (ii) と同じく $f_n(2)-\delta_{n,2}$ である。
(iii) $1,2$ のみが選ばれるとき
$k=1,\cdots, n-1$ に対し,$a_1,\cdots, a_n$ のうち $n-k$ 個が $1$,$k$ 個が $2$ であるとする。$A=n+k$ だから,あいこになる条件は
$$
n+k\equiv 0\;({\rm mod}\; 3)
$$である。よって,
$$
k\equiv \begin{cases}
0 & (n\equiv 0)\\
2 & (n\equiv 1)\\
1 & (n\equiv 2)
\end{cases}
$$が成り立つ。ゆえに,あいこになる場合の数は $f_n(3-n)-2\delta_{n,0}$ である($n\equiv 0$ のときには和から $k=0, n$ の項を除かなければならない)。
以上より,あいこになる場合の数は
(A) $n\equiv 0\; ({\rm mod}\; 3)$ のとき
$$
2f_n(2)+f_n(0)-2+3=\frac{2^{n+1}-2\cdot (-1)^n+2^n+2\cdot(-1)^n}{3}+1=2^n+1
$$
(B) $n\equiv 1\; ({\rm mod}\; 3)$ のとき
$$
3f_n(2)=2^n+2\cdot (-1)^n+3
$$
(C) $n\equiv 2\; ({\rm mod}\; 3)$ のとき
$$
2f_n(2)+f_n(1)-2+3=\frac{2^{n+1}-2\cdot (-1)^n+2^n+2\cdot(-1)^n}{3}+1=2^n+1
$$となる。以上をまとめると,あいこになる確率 $p_n$ は
$$
p_n=\begin{cases}
\cfrac{2^n+5}{3^n} & (n\equiv 4\; {\rm mod}\; 6)\\
\cfrac{2^n+1}{3^n} & ({\rm otherwise})
\end{cases}
$$となる。したがって
$$
p_2=\frac{5}{9},\;p_3=\frac{1}{3},\; p_4=\frac{7}{27},\;\lim_{n\to\infty} p_n=0
$$
である。
この問題を解いた人はこんな問題も解いています