三角関数の計算⑵

hkd585 自動ジャッジ 難易度: 数学 > 高校数学
2022年11月14日17:53 正解数: 3 / 解答数: 3 (正答率: 100%) ギブアップ数: 0
数列 三角関数

解説

解答は,$\boldsymbol{-4046}$
ここでは一般化して考える.

$\cos\theta=t$ とおく.まず,3倍角,5倍角の公式より,
  $\cos3\theta=4t^{3}-3t$ …①
  $\cos5\theta=16t^{5}-20t^{3}+5t$ …②
が成り立つ.また,$n$ を自然数とするとき,積和公式を利用すると,
  $\cos\left(2n+5\right)\theta$
 $=\cos\{\left(2n+3\right)+2\}\theta$
 $=\cos\left(2n+3\right)\theta\cos2\theta-\sin\left(2n+3\right)\theta\sin2\theta$
 $=\left(2t^{2}-1\right)\cos\left(2n+3\right)\theta-\dfrac{1}{2}\{\cos\left(2n+1\right)\theta-\cos\left(2n+5\right)\theta\}$
となり,移項して整理することで
  $\cos\left(2n+5\right)\theta=2\left(2t^{2}-1\right)\cos\left(2n+3\right)\theta-\cos\left(2n+1\right)\theta$ …③
を得る.
 さて,任意の $n$ について,③が $t$ の整式であることを,数学的帰納法で示す.まず $n=1$ のとき,①,②より主張は正しい.これと②より,$n=2$ のときも主張は正しい.また,$n=k,k+1(k\geqq1)$ について③が $t$ の整式であるとすると,$n=k+2$ についても③は $t$ の整式である.よって,示せた.
 ここに,③ $=T(n)$ とし,$T(n)$ における $t$ の項の係数を $a_{n}$ とおく.このとき,①より $a_{1}=-3$,②より $a_{2}=5$,③より
  $a_{n+2}=-2a_{n+1}-a_{n}$
をそれぞれ得る.ここに,方程式 $x^{2}+2x+1=0$ は重解 $-1$ をもつため,
  $a_{n+2}+a_{n+1}=-\left(a_{n+1}+a_{n}\right)$
$\therefore a_{n+1}+a_{n}=\left(-1\right)^{n-1}\left(a_{2}+a_{1}\right)=2\cdot\left(-1\right)^{n-1}$
両辺を $\left(-1\right)^{n+1}$ で割って移項することにより,
  $\dfrac{a_{n+1}}{\left(-1\right)^{n+1}}=\dfrac{a_{n}}{\left(-1\right)^{n}}+2$
$\therefore \dfrac{a_{n}}{\left(-1\right)^{n}}=\dfrac{a_{1}}{\left(-1\right)^{1}}+\sum_{k=1}^{n-1}2=3+2\left(n-1\right)$
$\therefore a_{n}=\left(-1\right)^{n}\left(2n+1\right)$ …④
また,$T(n)$ における定数項の係数を $b_{n}$ とおくと,①より $b_{1}=0$,②より $b_{2}=0$,③より $b_{n+2}=-2b_{n+1}-b_{n}$ をそれぞれ得るから,$b_{n}=0$ となる.
 次に,方程式 $\cos\left(2n+1\right)\theta=\dfrac{1}{2}$ …⑤ を考える.
 まず,自然数 $i$ に対し,$p_{i}=\dfrac{6i-5}{3\left(2n+1\right)}\pi$ とおく.このとき,任意の $i$ に対し,$p_{i}$ は⑤を満たす.
 ここに,任意の $2n+1$ 以下の異なる自然数 $i_{1},i_{2}$ について,$\cos p_{i_{1}}\neq\cos p_{i_{2}}$ が成り立つことを示す.
 $\cos p_{i_{1}}=\cos p_{i_{2}}$ なる $2n+1$ 以下の異なる自然数 $i_{1},i_{2}$ が存在すると仮定する.$i_{1}<i_{2}$ として一般性を失わない.このとき,
 $0<p_{i_{2}}-p_{i_{1}}<p_{2n+1}=\dfrac{12n+1}{3\left(2n+1\right)}\pi<\dfrac{12n+6}{3\left(2n+1\right)}\pi=2\pi$
より,
  $p_{i_{1}}+p_{i_{2}}=2\pi$
$\Leftrightarrow\dfrac{6i_{1}-5}{3\left(2n+1\right)}+\dfrac{6i_{2}-5}{3\left(2n+1\right)}=2$
$\Leftrightarrow6\left(i_{1}+i_{2}\right)-10=6\left(2n+1\right)$
$\Leftrightarrow3\left(i_{1}+i_{2}-2n-1\right)=5$
となるが,$3,5$ は互いに素な自然数であり,かつ $i_{1}+i_{2}-2n-1$ は整数であるから,$3\left(i_{1}+i_{2}-2n-1\right)\neq5$ となり矛盾する.したがって,任意の $2n+1$ 以下の異なる自然数 $i_{1},i_{2}$ について,$\cos p_{i_{1}}\neq\cos p_{i_{2}}$ が成り立つことが示された.
 さて,⑤は $T(n)=\dfrac{1}{2}$ …⑥ と同値である.
 ここで,$T(n)$ の次数を $c_{n}$ とすると,$c_{n}=2n+1$ であることを示す.
 ③より,$c_{n+2}=\max\{2+c_{n+1},c_{n}\}$ …⑦ である.ここに,次の【補題】を示す.
【補題】すべての自然数 $n$ に対し,$c_{n}<2+c_{n+1}$
【証明】数学的帰納法で示す.まず,①,②より,$n=1$ においては成り立つ.次に,$n=k(k\geqq1)$ で成り立つとすると,⑦より $c_{k+2}=2+c_{k+1}>c_{k+1}$ すなわち $c_{k+1}<c_{k+2}+2$ だから,$n=k+1$ でも成り立つ.よって,補題は示された.$\blacksquare$
 補題と⑦より,任意の自然数 $n$ に対し,$c_{n+1}=c_{n}+2$ である.したがって,①より $c_{1}=3$ だから,$c_{n}=3+2\left(n-1\right)=2n+1$.よって,示せた.
 これより,⑥は $t$ の $2n+1$ 次方程式である.このとき,$2n+1$ 次方程式の実数解の個数は高々 $2n+1$ 個であり,$\cos p_{1},\cos p_{2},...\cos p_{2n+1}$ はすべて異なる実数だから,これらは⑥のすべての解である.したがって,$T(n)$ の $t^{2n+1}$ の項の係数を $d_{n}$ とすると,解と係数の関係により,
  $\sum_{i=1}^{2n+1}\sec\dfrac{6i-5}{3\left(2n+1\right)}\pi$
 $=\sum_{i=1}^{2n+1}\dfrac{1}{\cos\dfrac{6i-5}{3\left(2n+1\right)}\pi}$
 $=\sum_{i=1}^{2n+1}\dfrac{1}{\cos p_{i}}$
 $=\dfrac{\dfrac{\left(-1\right)^{2n}a_{n}}{d_{n}}}{\dfrac{\left(-1\right)^{2n+1}\left(b_{n}-\dfrac{1}{2}\right)}{d_{n}}}$
 $=2\left(-1\right)^{n}\left(2n+1\right)$

$n=1011,i=k$ の場合を考えると,
  $\sum_{k=1}^{2023}\sec\dfrac{6k-5}{6069}\pi$
 $=2\cdot\left(-1\right)^{1011}\cdot2023$
 $=-4046 \square$

※本問はチェビシェフの多項式を題材にしている.$\cos k\theta$ の $k$ が奇数でなくても,$t$ の多項式で表すことができ,次数は $k$ である.


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解答形式

半角で解答のみを記入すること

降べきの順で記入すこと

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括弧内の項は、文字 数 の順に記入すること

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$\quad$
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$$\quad$$

解答形式

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$N$ の値に範囲がある場合は, 最小値~最大値 という形式で入力してください.
ただし, 最大値が存在しない場合は, 最小値~ という形式で入力し, 複数の区間が存在する場合は最小値の小さいものから改行区切りで入力してください.
$\mathrm{ex})$ 解答が $N=17,~22≦N≦30,~330≦N$ の場合
  17
  22~30
  330~

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解答形式

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線分 $\mathrm{P_1 P}$ の中点を $\mathrm{P_2}$,
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線分 $\mathrm{P_1 P_2}$ が線分 $\mathrm{P_0 P_1}$ に対してなす角,
線分 $\mathrm{P_2 P_3}$ が線分 $\mathrm{P_1 P_2}$ に対してなす角, ...
線分 $\mathrm{P_\mathit{n} P_{\mathit{n}+1}}$ が線分 $\mathrm{P_{\mathit{n}-1} P_\mathit{n}}$ に対してなす角の変化はすべて等しく, 一定の割合であるとする.

2023/02/22 訂正:

tima_C様のご指摘を受け、難易度を変更しました.

2023/03/21 訂正:

解答形式を変更しました. 解答に影響はありません.

解答形式

スペースを含めず, ASCII文字のみを用いて $\mathrm{\LaTeX}$ 形式で解答してください. $は必要ありません.

ただし, 文字や根号などの係数が分数の場合は
$$
\frac{3}{2}x\rightarrow\frac{3x}{2}
$$
のように, 文字を分子にまとめてください.

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ルール
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  • 「+」加算
  • 「-」減算
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  • 「^」冪乗
  • 「!」階乗

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問題文

以下の多重根号を簡略化せよ。

2022/12/09 訂正:

難易度やnaoperc様よりご指摘いただいた根号の指数の誤りなど複数箇所を訂正しました.

2023/02/11 訂正:

問題文, 解答形式の文章を他の問題と統一しました. 解答に影響はありません.

2023/03/21 訂正:

解答形式を変更しました. 解答に影響はありません.

解答形式

スペースを含めず, ASCII文字のみを用いて $\mathrm{\LaTeX}$ 形式で解答してください. $は必要ありません.

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0
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${}$ 西暦2022年問題第2弾です。第1弾に引き続き虫食算で、今回は割り算にしてみました。数学的手法(約数や倍数、偶奇性や剰余、不等式による絞り込み、などなど)を適宜用いることで面倒な場合分けや仮置きを軽減できるよう仕込んでいるのは変わりません。パズル的に解くのもよし、数学的にゴリゴリ解くのもよし、どうぞお好きなようにお楽しみください!

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自然数 $N$ の満たす条件を求めよ。
$$\quad$$

解答形式

半角で入力してください。
$N$ の値が一意に定まる場合は、その値を入力してください。
$N$ の値に範囲がある場合は、最小値~最大値という形式で入力してください。ただし、最大値が存在しない場合は、最小値~という形式で入力し、複数の区間が存在する場合は最小値が小さいものから改行区切りで入力してください。
例) 解答が $N=17, 22≦N≦30, 330≦N$ の場合
17
22~30
330~

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