$N+M$ 本の串を刺し終わった後、黒の串が刺された行の数を $n$, 列の数を $m$ とすると $S=nm+(N-n)(M-m),D=n(M-m)+(N-n)m$ で、
\begin{eqnarray}
S-D&=&nm+(N-n)(M-m)-n(M-m)-(N-n)m \\
&=& nm+NM-nM-Nm+nm-nM+nm-Nm+nm \\
&=& NM-2nM-2Nm+4nm \\
&=& (N-2n)(M-2m) \\
&=& ( (N-n)-n) ( (M-m)-m)
\end{eqnarray}
となる。$(N-n)-n$ は行における白串と黒串の本数差、$(M-m)-m$ は列における白串と黒串の本数差である。つまり、$D>S$ となる必要十分条件は、最終的に「行では黒の方が多いが列では白の方が多い」または「行では白の方が多いが列では黒の方が多い」のどちらかが達成されることである。
・$M,N$ がどちらも奇数のとき
このとき、塩見さんが必ず勝てることを示す。垂川さんが行/列に黒/白の串を刺したとき、塩見さんは行/列にそれぞれ白/黒の串を刺していく(同じ向きに、相手と違う色の串を刺していく)。これを繰り返すと、塩見さんの番が終わった時、行または列のどちらかで、刺されている串の色が同数であと $1$ 本だけ刺せるという状況になる。これが行だとして一般性を失わない。これ以降に垂川さんが行の最後の一本に黒/白を刺した場合、塩見さんは列に白/黒を刺す。すると、最後に塩見さんが串を刺し終わってゲームが終了した時、行では黒/白が $1$ 本だけ多く、列では白/黒が $1$ 本だけ多いという状況になり、$D>S$ が達成されるので、塩見さんの勝ちになる。
・$M,N$ の少なくとも一方が偶数のとき
このとき、塩見さんがどのように行動しても、垂川さんがうまく行動すれば、勝負は引き分けになる、つまり塩見さんが勝てないということを示す。$N,M$ のうち $N$ が偶数であるとして一般性を失わない。この時、垂川さんは最初の行動で白黒いずれかの串を列に刺す。その後は、塩見さんが行/列に黒/白の串を刺したとき、垂川さんは行/列にそれぞれ白/黒の串を刺していく。これを繰り返していくと最終的に、行方向では白と黒の串の数が等しくなってゲームが終了するので、$D=S$ となり、引き分けになる。
以上より、垂川さんの行動に関わらず、うまく行動すれば塩見さんが必ず勝てるような組 $(N,M)$ は、$N,M$ がどちらも奇数のときに限られる。$N,M$ が $1$ 以上 $2024$ 以下の整数を動くとき、そのような組は $\displaystyle \frac{2024}{2}\times \frac{2024}{2}=1024144$ 個ある。
出題者はタレも塩も両方好きです。
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