[D] Eigensequence

halphy 自動ジャッジ 難易度: 数学 > 大学数学
2020年8月15日18:00 正解数: 3 / 解答数: 6 (正答率: 50%) ギブアップ不可
この問題はコンテスト「KOH Mathematical Contest #2」の問題です。

正答

3 1 0 1 0 0 1 2 - 4
3 1 1 1 1 2 - 2 2 1
2 1 2 4 9 4 9 5

解説

漸化式
$$
a_{n+3}=3a_{n+2}-4a_{n+1}+2a_n\quad (n=1,2,\cdots)
$$を満たす数列全体の集合を $V$ とするとき,$V$ が $\mathbb{C}$ 上のベクトル空間になることは次のようにして示されます。非自明なのは,$V$ が和とスカラー倍について閉じていることだけですから,$a_n, b_n\in V$ および $c\in\mathbb{C}$ に対して $ca_n, a_n+b_n\in V$ であることを示せば証明が完了します。$a_n, b_n$ は $V$ の元なので,$n=1,2,\cdots$ に対して
\begin{align}
a_{n+3}&=3a_{n+2}-4a_{n+1}+2a_n\\
b_{n+3}&=3b_{n+2}-4b_{n+1}+2b_n
\end{align}が成り立ちます。第 $1$ 式の $c$ 倍と第 $1$ 式 $+$ 第 $2$ 式をつくれば
\begin{align}
ca_{n+3}&=3\cdot ca_{n+2}-4\cdot ca_{n+1}+2\cdot ca_n\\
a_{n+3}+b_{n+3}&=3(a_{n+2}+b_{n+2})-4(a_{n+1}+b_{n+1})+2(a_n+b_n)
\end{align}となり,これは $ca_n, a_n+b_n$ がともに漸化式を満たすことを意味しています。よって $ca_n, a_n+b_n\in V$ で,$V$ は和とスカラー倍について閉じています。$V$ は $\mathbb{C}$ 上のベクトル空間になります。

次に,写像 $\varphi: V\to \mathbb{C}^3$ を
$$
\varphi(a_n)=\begin{pmatrix} a_1 \\ a_2 \\ a_3\end{pmatrix}
$$で定めるとき,$\varphi$ がベクトル空間の同型写像であることを確認しましょう。まず,漸化式を使えば,任意の $a_1, a_2, a_3\in\mathbb{C}$ に対して $a_1, a_2, a_3$ を初めの $3$ 項にもつような $V$ の元を構成することができます。よって $\varphi$ は全射です。また,$a_n, b_n\in V$ に対して,$a_n, b_n$ の初めの $3$ 項が同じであれば $a_n, b_n$ は数列として一致するので $\varphi$ は単射でもあります。さらに,$a_n, b_n\in V$ および $c\in\mathbb{C}$ に対して,$ca_n \in V$ の最初の $3$ 項は $ca_1, ca_2, ca_3$,$a_n+b_n \in V$ の最初の $3$ 項は $a_1+b_1, a_2+b_2, a_3+b_3$ ですから $\varphi^{-1}$ は線型写像です。以上の議論より,$\varphi$ がベクトル空間の同型写像であることが示されました。$\mathbb{C}^3$ は $3$ 次元なので,それと同型な $V$ も $3$ 次元のベクトル空間です。

同型写像によって基底は基底に移りますから,$\mathbb{C}^3$ の基底
$$
\begin{pmatrix} 1 \\ 0 \\ 0\end{pmatrix},\; \begin{pmatrix} 0 \\ 1 \\ 0\end{pmatrix},\; \begin{pmatrix} 0 \\ 0 \\ 1\end{pmatrix}
$$の $\varphi^{-1}$ による像 $e_n^{(1)}, e_n^{(2)}, e_n^{(3)}$ は $V$ の基底になります。

$V$ 上の線型変換 $L: V\to V$ を問題文のように定義すると,これは $a_n\in V$ に対して $L(a_n)=a_{n+1}$ と定義したことと等価になります。すなわち,$L$ は数列の項をひとつずらす写像です。$L$ が線型写像であることは,$L$ によって基底 $e_n^{(1)}, e_n^{(2)}, e_n^{(3)}$ による表示が
$$
\begin{pmatrix} a_1 \\ a_2 \\ a_3\end{pmatrix}\mapsto \begin{pmatrix} a_2 \\ a_3 \\ a_4\end{pmatrix}=\begin{pmatrix} a_2 \\ a_3 \\ 2a_1-4a_2+3a_3\end{pmatrix}
$$のように移ることから従います。また,上式より
$$
\begin{pmatrix} a_1 \\ a_2 \\ a_3\end{pmatrix}\mapsto \begin{pmatrix} 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \\ 2 & -4 & 3\end{pmatrix}\begin{pmatrix} a_1 \\ a_2 \\ a_3\end{pmatrix}
$$が成り立つので,$L$ の表現行列 $L_A$ は
$$
L_A=\begin{pmatrix} 0 & 1 & 0 \\ 0 & 0 & 1 \\ 2 & -4 & 3\end{pmatrix}
$$となります。

$L_A$ の固有値を $\lambda$ とすると,固有方程式(特性方程式)は
$$
\det \begin{pmatrix} -\lambda & 1 & 0 \\ 0 & -\lambda & 1 \\ 2 & -4 & 3-\lambda\end{pmatrix}=0
$$すなわち
\begin{align}
\lambda^3-3\lambda^2+4\lambda-2&=0\\
(\lambda-1)(\lambda^2-2\lambda+2)&=0
\end{align}となりますから,固有値は
$$
\lambda=1, 1+i, 1-i
$$です。これらを順に $\lambda^{(1)}, \lambda^{(2)}, \lambda^{(3)}$ とおくことにします。

固有値 $\lambda^{(1)}, \lambda^{(2)}, \lambda^{(3)}$ に対する $L$ の固有ベクトル(これは $V$ の元なので数列です)を $\beta_n^{(1)}, \beta_n^{(2)}, \beta_n^{(3)}$ とすると,固有値・固有ベクトルの定義より
\begin{align}
L(\beta_n^{(1)})&=\beta_n^{(1)}\\
L(\beta_n^{(2)})&=(1+i)\beta_n^{(2)}\\
L(\beta_n^{(3)})&=(1-i)\beta_n^{(3)}
\end{align}が成り立ちます。$L$ は数列の項をひとつずらす写像だったので,これは
\begin{align}
\beta_{n+1}^{(1)}&=\beta_n^{(1)}\\
\beta_{n+1}^{(2)}&=(1+i)\beta_n^{(2)}\\
\beta_{n+1}^{(3)}&=(1-i)\beta_n^{(3)}
\end{align}を意味します。よって $\beta_n^{(1)}, \beta_n^{(2)}, \beta_n^{(3)}$ はそれぞれ公比が $1, 1+i, 1-i$ の等比数列です。特に,初項が
$$
\beta_1^{(1)}=1, \beta_1^{(2)}=1+i, \beta_3^{(3)}=1-i
$$となるように $\beta_n^{(1)}, \beta_n^{(2)}, \beta_n^{(3)}$ を定めれば,その一般項は
\begin{align}
\beta_n^{(1)}&=1\\
\beta_n^{(2)}&=(1+i)^n\\
\beta_n^{(3)}&=(1-i)^n
\end{align}となり,最初の $3$ 項は
$$
\alpha^{(1)}=\begin{pmatrix} 1 \\ 1 \\ 1\end{pmatrix},\; \alpha^{(2)}=\begin{pmatrix} 1+i \\ (1+i)^2 \\ (1+i)^3 \end{pmatrix},\; \alpha^{(3)}=\begin{pmatrix} 1-i \\ (1-i)^2 \\ (1-i)^3 \end{pmatrix}
$$です。特に $(1+i)^2=2i, (1-i)^3=-2-2i$ となります。

最後に,$V$ の元のうちで
$$
a_1=1, \; a_2=0, \; a_3=0
$$となるような数列 $a_n\in V$ を求めます。そのために,$a_n$ を $L$ の固有ベクトルからなる基底 $\beta_n^{(1)}, \beta_n^{(2)}, \beta_n^{(3)}$ の線型結合で表すことを考えます。もとの基底 $e_n^{(1)}, e_n^{(2)}, e_n^{(3)}$ と新しい基底 $\beta_n^{(1)}, \beta_n^{(2)}, \beta_n^{(3)}$ の関係は
\begin{align}
\beta_n^{(1)}&=e_n^{(1)}+e_n^{(2)}+e_n^{(3)}\\
\beta_n^{(2)}&=(1+i)e_n^{(1)}+2ie_n^{(2)}+(-2+2i)e_n^{(3)}\\
\beta_n^{(3)}&=(1-i)e_n^{(1)}-2ie_n^{(2)}+(-2-2i)e_n^{(3)}
\end{align}となるので,逆に解いて
$$
e_n^{(1)}=2\beta_n^{(1)}-\frac{\beta_n^{(2)}-\beta_n^{(3)}}{2i}
$$が得られます。$a_n$ は $e_n^{(1)}$ にほかならないので,その一般項は
\begin{align}
a_n&=2\beta_n^{(1)}-\frac{\beta_n^{(2)}-\beta_n^{(3)}}{2i}\\
&=2-\frac{(1+i)^n-(1-i)^n}{2i}\\
&=2-(\sqrt{2})^n\cdot\frac{e^{in\pi/4}-e^{-in\pi/4}}{2i}\\
&=2-(\sqrt{2})^n\sin\left(\frac{n\pi}{4}\right)
\end{align}と計算できます。

一般項の形から,$a_n$ は $n$ の増加とともに,振動しながらその振幅を等比数列的に増大させていくことが分かります。$\sin(n\pi/4)$ の値は
$$
\frac{1}{\sqrt{2}}, 1, \frac{1}{\sqrt{2}}, 0, -\frac{1}{\sqrt{2}}, -1, -\frac{1}{\sqrt{2}}, 0, \cdots
$$のように $8$ 項周期で循環します。$100\equiv 4\;({\rm mod} \; 8)$ ですから,$a_{100}=2$ で,$a_{97}, a_{98}, a_{99}<2$ です。$n=96$ で再び $a_{96}=2$ となり,
\begin{align}
a_{95}&=2+2^{47}\\
a_{94}&=2+2^{47}\\
a_{93}&=2+2^{46}\\
\end{align}が成り立ちます。また,$n\leq 92$ のときは
$$
a_n=2-2^{n/2}\sin\left(\frac{n\pi}{4}\right)\leq 2+2^{n/2}\leq 2+2^{46}
$$となるので,$a_1, \cdots, a_{100}$ のうちで $a_n$ が最大になるのは $n=94, 95$ のときです。


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$$
A=
\begin{pmatrix}
6& -3 & -7 & 0 & 0 & 0\\
-1 & 2 & 1 & 0 & 0 & 0\\
5& -3 & -6 & 0 & 0 & 0\\
0& 0 & 0 & 1 & 2 & 1\\
0& 0 & 0 & -1 & 4 & 1\\
0& 0 & 0 & 2 & -4 & 0\\
\end{pmatrix}
$$
このとき次の実線形空間の次元を求めよ。
$$
V=\{X\in M_{6}(\mathbb{R})\mid AX=XA\}
$$
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    $$
    a_i\equiv\sum_{j=1}^n a_j\; ({\rm mod} \; 3)
    $$ならば人 $i$ は生存し,そうでないなら脱落する。この試行をmodじゃんけんと呼ぶことにする。

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$n$ 人がmodじゃんけんを $1$ 回行ってあいこになる確率を $p_n$ とするとき

$$
p_2=\frac{\fbox{ア}}{\fbox{イ}},\; p_3=\frac{\fbox{ウ}}{\fbox{エ}},\; p_4=\frac{\fbox{オ}}{\fbox{カキ}}
$$

である。$n$ を $\fbox{ク}$ で割った余りが $\fbox{ケ}$ であるとき

$$
p_n=\frac{\fbox{コ}^{n}+\fbox{サ}}{\fbox{シ}^n}
$$

であり,そうでないときには

$$
p_n=\frac{\fbox{コ}^{n}+\fbox{ス}}{\fbox{シ}^n}
$$

である。また,

$$
\lim_{n\to\infty} p_n=\fbox{セ}
$$

が成り立つ。

解答形式

空欄 $\fbox{ア}$ 〜 $\fbox{セ}$ には,半角数字 0 - 9 または記号 - のいずれかが当てはまります。$\fbox{ア}$ 〜 $\fbox{セ}$ に当てはまるものを改行区切りで入力してください。分数はこれ以上約分できない形で解答してください。

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$$
a_n=1+\sum_{m=1}^{2^n}{\rm floor}\left[\sqrt[n]{\frac{n}{\displaystyle{\sum_{k=1}^m}\; {\rm floor}\left(\cos^2\cfrac{(k-1)!+1}{k}\pi\right)}}\right]
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$$
m(\sigma)=\frac{1}{3\cdot 3\cdot 1}=\frac{1}{9}
$$

である。自然数 $n$ に対して,${1,\cdots, n}$ の置換(これは $n!$ 通りある)の近道度の平均を

$$
f_n=\frac{1}{n!}\sum_{\sigma\in \mathfrak{S}_n} m(\sigma)
$$

とおく。

$$
f_1=1, \; f_2=\frac{\fbox{ア}}{\fbox{イ}}, \; f_4=\frac{\fbox{ウエオ}}{\fbox{カキク}}
$$

であり,

$$
\sum_{n=0}^{\infty} f_n=\fbox{X}
$$

である(級数が収束することは証明なしに認めてよい)。ただし $f_0=1$ と約束する。

※ $\mathfrak{S}_n$ は $n$ 次対称群を表す(19:03追記)。

解答形式

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  • 2行目 には $\fbox{イ}$ に当てはまる数を半角で入力してください。
  • 3行目 には $\fbox{ウエオ}$ に当てはまる数を半角で入力してください。
  • 4行目 には $\fbox{カキク}$ に当てはまる数を半角で入力してください。
  • 5行目 には $\fbox{ X }$ に当てはまる数を入力します。答えを $10$ 進小数で表し,小数第2位を四捨五入して小数第1位まで求めてください。例えば,$9.876\cdots $ が答えになる場合は 9.9 と解答してください。

ヒント

  • $f_0,\cdots, f_{n-1}$ を使って $f_n$ を表すことができます。
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$$
S=\sum_{n=0}^\infty f\left(\frac{1}{n^2+n+1}\right)
$$を求めよ.答えは,整数ア・イを用いて
$$
S=\frac{\fbox{ア}}{\fbox{イ}}\pi
$$と既約分数の形でかける.

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ただし,矢印(枝)はノード間の情報伝達の方向を表し,枝の上に書かれている文字は正しく伝達される確率(上の説明のp)を表すものとする.

① a=2/3,b=3/4の場合のxを計算せよ.
② a=11/111,b=1/2の場合のxを計算せよ.
③ a=2/3,b=3/4の場合を考える.このネットワークはxy平面上の$3\times3$のサイズの格子点において,x軸正方向とy軸正方向に正しく情報が伝達される確率をそれぞれa,b,始点を原点,終点を点(2,2)としたものとみなせる.このとき,$n\times n$のサイズに拡張された(終点を(n,n)とする)ネットワークを考えると,$n\to \infty$とした時に,始点と終点の状態が一致する確率の収束値を求めよ.

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$n=0,1,\cdots$ に対し,$I_n$を
$$
I_n=\sum_{k=0}^{\infty}\frac{1}{2^{k}k!(2n+2k-1)!!}
$$で定める。ただし $(-1)!!=1$ とする。この級数は収束することが知られている(例えば,ダランベールの判定法を適用すればよい)。特に
$$
I_0+I_1=\fbox{ア}
$$である。また,$\{I_n\}$ は漸化式
$$
I_{n-1}-I_{n+1}=(\,\fbox{イ}\,n-\fbox{ウ}\,)I_n\quad(n=1,2,\cdots)
$$を満たし
$$
\lim_{n\to\infty}\frac{I_{n+1}}{I_n}=\fbox{エ}
$$が成り立つ。これらの結果を用い,漸化式を変形すると
$$
1+\cfrac{1}{3+\cfrac{1}{5+\cfrac{1}{7+\cfrac{1}{\ddots}}}}=\frac{\fbox{オ}^{\fbox{カ}}+\fbox{キ}}{\fbox{ク}^{\fbox{ケ}}-\fbox{コ}}
$$が得られる。ただし $\fbox{オ}\neq\fbox{キ}$ とする。

注意

自然数 $n\geq 1$ に対し,$n!!$ は $1$ 個とばしの階乗を表す。例えば,$n$ が奇数のとき
$$
n!!=n(n-2)(n-4)\cdots 3\cdot 1
$$である。

解答形式

空欄 $\fbox{ア}$ 〜 $\fbox{コ}$ には,半角数字 0 - 9 ,記号 - ,円周率 π ,自然対数の底 e のいずれかが当てはまります。$\fbox{ア}$ 〜 $\fbox{コ}$ に当てはまるものを改行区切りで入力してください。

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$x^4+y^4+z^4+w^4+(x^2+y^2+z^2+w^2)(xy+xz+xw+yz+yw+zw)+4xyzw$
を因数分解せよ。

解答形式

TeXで入力してください。項の順番に関しては辞書式順で入力してください。字数の高い因数を先に書いてください。
例1:
$(x^2+y^2+z^2+w^2)(x+y+z+w)$と答えるには
(x^2+y^2+z^2+w^2)(x+y+z+w)を入力してください。
例2:
$x,y,z,w$から重複せず3文字を選び、かけ合わせた項4つを辞書式順に並べると
$xyz,xyw,xzw,yzw$

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$P$ を $n\times n$ 行列とする。$P$ の第 $(i, j)$ 成分と第 $(n-i+1, n-j+1)$ 成分がつねに一致するとき,$P$ を点対称行列と呼ぶことにする。例えば $n=4$ なら,$P$ は一般に

$$
P=\begin{pmatrix} a & b & h & g \\ c & d & f & e \\ e & f & d & c \\ g& h & b & a \end{pmatrix}
$$

という形をしている。$E'$ を $4\times 4$ の単位行列とし,$4\times 4$ 行列 $J'$ を

$$
J'=\begin{pmatrix} 0 & 0 & 0 & 1 \\ 0 & 0 & 1 & 0 \\ 0 & 1 & 0 & 0 \\ 1 & 0 & 0 & 0 \end{pmatrix}
$$

で定義する。

(1) 一般の $4\times 4$ 行列 $X$ に対して,$XJ'$ の $(\fbox{ア},\fbox{イ})$ 成分と $X$ の $(1,2)$ 成分は一致する。また,$J'X$ の $(\fbox{ウ},\fbox{エ})$ 成分と $X$ の $(1,2)$ 成分は一致する。よって, $4\times 4$ 行列 $P$ が点対称行列であることは,$J'PJ'=P$ が成り立つことと同値である。

(2) $E$ を $2\times 2$ の単位行列とし,$2\times 2$ 行列 $J$ を

$$
J=\begin{pmatrix} 0 & 1 \\ 1 & 0 \end{pmatrix}
$$

で定義する。$4\times 4$ 点対称行列 $P$ が,ある $2\times 2$ 行列 $A,B,C,D$ を用いて

$$
P=\begin{pmatrix} A & B \\ C & D \end{pmatrix}
$$

と表せたとする。(1) と同様の考察より,$D=JAJ, B=JCJ$ である。$4\times 4$ 行列 $Q$ を

$$
Q=\frac{1}{\sqrt{2}}\begin{pmatrix} E & -J \\ J & E \end{pmatrix}
$$

で定めると,$Q^{\rm T}Q=\fbox{オ}$ であり

$$
Q^{\rm T}PQ=\begin{pmatrix} \fbox{カ}+\fbox{キク} & \fbox{ケ} \\ \fbox{コ} & \fbox{サシス}-\fbox{セソ} \end{pmatrix}
$$

が成り立つ。

(3) $p$ を実定数とする。(2) の結果を利用して,行列

$$
P=\begin{pmatrix} 0 & p & 0 & 1-p \\ 0 & p^2 & 1-p & p(1-p) \\ p(1-p) & 1-p & p^2 & 0 \\ 1-p & 0 & p & 0 \end{pmatrix}
$$

の固有値を求めよう。$p=\cfrac{13}{15}$ のとき,$P$ の固有値は大きい順に

$$
\fbox{タ}, \frac{\fbox{チ}}{\fbox{ツ}}, \frac{\fbox{テ}}{\fbox{トナ}}, \frac{\fbox{ニ}}{\fbox{ヌネノ}}
$$

である。

解答形式

空欄 $\fbox{ア}$ 〜 $\fbox{ノ}$ には,半角数字 0 - 9 ,記号 - ,4×4行列 E', J' ,2×2行列 E, J, A, C, O のいずれかが当てはまります(B, Dを使って解答することはできません。O は零行列を表します)。$\fbox{ア}$ 〜 $\fbox{ノ}$ に当てはまるものを改行区切りで入力してください。分数はこれ以上約分できない形で解答してください。

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