⑴ $a,b,m$ を $1$ 以上 $9$ 以下の整数として、
$$
\begin{eqnarray}
f\left( \frac{a+\sin(\theta)}{b}\right)=\frac{a+\sin(m\theta)}{b} \cdots\ast
\end{eqnarray}
$$
が $\theta$ の恒等式になるような $a,b,m$ の組を求めよう。
$\ast$で $\theta=0$ として $f(a/b)=a/b$ であり、方程式 $f(x)=x$ の解のうち有理数であるものは $x=1/2$ だけなので $2a=b$ がわかる。
次に $\ast$で $2a=b$ としてから $\theta=\pi/2$ を代入すると $\sin(m\pi/2)=3-4/a^2$ が得られる。$m$ が $1$ 以上 $9$ 以下の整数のとき $\sin(m\pi/2)=1,-1,0$ であるが、$a\geq2$ で $3-4/a^2\geq2$ であるから、$a=1$ が必要である。さらにこのとき $\sin(m\pi/2)=-1$ となるので、$m=3$ としてみる。すると3倍角の公式 $\sin(3\theta)=-4\sin^3\theta+3\sin\theta$ により、
$$
\begin{eqnarray}
f\left( \frac{1+\sin(\theta)}{2}\right)=\frac{1+\sin(3\theta)}{2}
\end{eqnarray}
$$
が $\theta$ の恒等式になっていることが確認できる(なお、他の $m$ の値が条件を満たさないことも容易に分かる)。したがって $\fbox{ア}=1,\fbox{イ}=2,\fbox{ウ}=3$ である。
⑵ $\displaystyle x=\frac{1+\sin\theta}{2}$ と置換すると、⑴の結果より $\displaystyle f(f(f(x)))=\frac{1+\sin27\theta}{2}$ であるから、
$$
\begin{eqnarray}
\int_ {0.5} ^{0.75} f(f(f(x))) dx&=&\frac{1}{4}\int_ {0} ^{\pi/6} \cos\theta(1+\sin27\theta) d\theta\\
&=&\frac{1}{8}\int_ {0} ^{\pi/6} (2\cos\theta+\sin28\theta+\sin26\theta) d\theta\\
&=&\frac{1}{8}\left[2\sin\theta-\frac{\cos28\theta}{28}-\frac{\cos26\theta}{26}\right]^{\pi/6}_{0}\\
&=&\frac{1}{8}\left(\left(1+\frac{1}{56}-\frac{1}{52}\right)-\left(0-\frac{1}{28}-\frac{1}{26} \right)\right)\\
&=&\frac{781}{5824}
\end{eqnarray}
$$
である。よって $\fbox{エオカ}=781,\fbox{キクケコ}=5824$ である。
この問題を解いた人はこんな問題も解いています