データの分析・数列

oolong_tea 自動ジャッジ 難易度: 数学 > 高校数学
2025年2月5日1:40 正解数: 0 / 解答数: 1 ギブアップ数: 0

解説

条件を整理


$A_1$ から $A_{11}$ は $1$ 以上 $30$ 以下の相異なる自然数だから,
$$
1 \leq A_1 < A_2 < A_3 < A_4 < A_5 < A_6 < A_7 < A_8 < A_9 < A_{10} < A_{11} \leq 30
$$



最大値と最小値の差,すなわち $A_1$ と $A_{11}$ の差が $27$ であるから,あり得る $A_1$ と $A_{11}$ の組は,
$$
(A_1, A_{11})=(1, 28), (2, 29), (3, 30)
$$



第 $3$ 四分位数 [$Q_{3}$] と第 $1$ 四分位数 [$Q_{1}$] の差が $9$ であるから,
$$
Q_{3} - Q_{1} = 9
$$



$Q_{1},Q_{2},Q_{3}$ がこの順に等比数列であるから,等比中項の性質より,
$$
Q_{2}^2 = Q_{1} \times Q_{3}
$$



データの個数が $11$ 個であるから,中央値は $A_{6}$ である。また,中央値は第 $2$ 四分位数に等しいので,
$$
A_{6} = Q_{2}
$$

中央値(第 $2$ 四分位数)と平均値の差の絶対値が $1$ であるから,
$$
| Q_{2} - \bar{A} | = 1
$$



$A_7$ から $A_{11}$ までの平均が $A_1$ から $A_5$ までの平均のちょうど $2$ 倍であるから,
$A_7$ から $A_{11}$ までの和を $S_{large}$,$A_1$ から $A_5$までの和を$S_{small}$ とすると,
$$
S_{large}=2S_{small}
$$



$1$ 以上 $30$ 以下の自然数の中に立方数は $1, 8, 27$ の $3$ 個あり,このうちの $2$ つがデータに含まれる。



$1$ 以上 $30$ 以下の自然数の中に素数は $2, 3, 5, 7, 11, 13, 17, 19, 23, 29$ の $10$ 個あり,このうちの $4$ つがデータに含まれる。



データは昇順に並んでいるので,外れ値の可能性があるのは $A_{1}$ または $A_{11}$ である。
また,四分位範囲が $9$ であること,および外れ値の定義より
$$
A_{1} \leq Q_{1} - 13.5 または Q_{3} + 13.5 \leq A_{11}
$$


四分位数の候補を探す

③,④より,
$Q_{3} - Q_{1} = 9$より,$Q_{3} = Q_{1} + 9$
これを $Q_{2}^2 = Q_{1}Q_{3}$に代入すると,
$$
\begin{eqnarray}
Q_{2}^2 &=& Q_{1}(Q_{1} + 9) \\
Q_{2}^2 &=& Q_{1}^2 + 9Q_{1} \\
Q_{2}^2 &=& (Q_{1} + \frac{9}{2})^2 - \frac{81}{4} \\
4Q_{2}^2 &=& (2Q_{1}+9)^2 - 81 \\
(2Q_{1} + 9)^2 - (2Q_{2})^2 &=& 81 \\
(2Q_{1} + 9 + 2Q_{2})(2Q_{1} + 9 - 2Q_{2}) &= & 81
\end{eqnarray}
$$

$Q_{1}, Q_{2}$ は自然数であるから,$2Q_{1} + 9 + 2Q_{2} > 2Q_{1} + 9 - 2Q_{2}$

$(i)$ $2Q_{1} + 9 + 2Q_{2} =81, 2Q_{1} + 9 - 2Q_{2} = 1$ のとき
両辺を足すと,
$$
\begin{eqnarray}
4Q_{1} + 18 &=& 82 \\
4Q_{1} &=& 64 \\
Q_{1} &=& 16 \\
\end{eqnarray}
$$
このとき,$Q_{3} = 16 + 9 = 25$,$Q_{2} = \sqrt{16 \times 25} = 20 $ となり条件を満たす。

$(ii)$ $2Q_{1} + 9 + 2Q_{2} = 27, 2Q_{1} + 9 - 2Q_{2} = 3$ のとき
両辺を足すと,
$$
\begin{eqnarray}
4Q_{1} + 18 &=& 30 \\
4Q_{1} &=& 12 \\
Q_{1} &=& 3 \\
\end{eqnarray}
$$
このとき,$Q_{3} = 3 + 9 = 12$,$Q_{2} = \sqrt{3 \times 12} = 6 $ となり条件を満たす。

よって四分位数の候補は,
$$
(Q_{1}, Q_{2}, Q_{3}) = (3, 6, 12), (16, 20, 25)
$$


四分位数を決定する

$(i)$ $A_{6} = Q_{2} = 6$ のとき
⑤より,$\bar{A} = 5$ または $\bar{A} = 7$

$(a)$ $\bar{A} = 5$ のとき
⑥より,
$$
\begin{eqnarray}
S_{large} + 6 + S_{small} &=& 5 \times 11 \\
3S_{small} + 6 &=& 55 \\
3S_{small} &=& 49 \\
S_{small} &=& \frac{49}{3} \\
\end{eqnarray}
$$

$A_{1}$ から $A_{5}$ は自然数であるので,$S_{small}$ も自然数である。
よって,$\bar{A} = 5$ は不適。

$(b)$ $\bar{A} = 7$ のとき
$(a)$ と同様に,
$$
\begin{eqnarray}
S_{large} + 6 + S_{small} &=& 7 \times 11 \\
3S_{small} + 6 &=& 77 \\
3S_{small} &=& 71 \\
S_{small} &=& \frac{71}{3} \\
\end{eqnarray}
$$

よって,$\bar{A} = 7$ も不適。

$(ii)$ $A_{6} = Q_{2} = 20$ のとき
⑤より,$\bar{A} = 19$ または $\bar{A} = 21$

$(c)$ $\bar{A} = 19$ のとき
上と同様に,
$$
\begin{eqnarray}
S_{large} + 20 + S_{small} &=& 19 \times 11 \\
3S_{small} + 20 &=& 209 \\
3S_{small} &=& 189 \\
S_{small} &=& 63 \\
\end{eqnarray}
$$

$\bar{A}=19$ は条件を満たす。

$(d)$ $\bar{A} = 21$ のとき
上と同様に,
$$
\begin{eqnarray}
S_{large} + 20 + S_{small} &=& 21 \times 11 \\
3S_{small} + 20 &=& 231 \\
3S_{small} &=& 211 \\
S_{small} &=& \frac{211}{3} \\
\end{eqnarray}
$$

よって,$\bar{A} = 21$ も不適。

以上より,$Q_{2} = 20$
よって,
$$
(Q_{1}, Q_{2}, Q_{3}) = (16, 20, 25)
$$


外れ値の処理

$Q_{1} = 16, Q_{3} = 25$ であるので,⑨より,
$$
A_{1} \leq 2.5 または 38.5 \leq A_{11}
$$

よって,外れ値は $A_{1}$ でその値は $1$ または $2$
これと②より,
$$
(A_{1}, A_{11}) = (1, 28), (2, 29)
$$


素数および立方数の要素の処理

$Q_{1} = A_{3} = 16, Q_{2} = A_{6} = 20, Q_{3} = A_{9} = 25$ であるから,
データの要素を書き並べると,以下のようになる。
$$
(1 \leq ) A_1,~ A_2,~ 16,~ A_4,~ A_5,~ 20,~ A_7,~ A_8,~ 25,~ A_{10},~ A_{11} ( \leq 30)
$$

以下⑧より,
$A_{10}, A_{11}$ に注目すると,このどちらかが素数であるが,$25$ より大きく $30$ より小さい素数は $29$ のみであるので,$A_{10}, A_{11}$ のどちらかが $29$ である。さらに,外れ値の検討で $A_{11} = 28$ または $A_{11} = 29$であることがわかったので,$A_{11} = 29$ が確定する。よって同時に $A_{1} = 2$ も確定する。

次に $A_{7}, A_{8}$ に注目すると,このどちらかが素数であるが,$20$ より大きく $25$ より小さい素数は $23$ のみであるので,$A_{7}, A_{8}$ のどちらかが $23$ である。

次に $A_{4}, A_{5}$ に注目すると,このどちらかが素数でもう一方が合成数であるが,$16$ より大きく $20$ より小さい合成数は $18$ のみであるので,$A_{4}, A_{5}$ のどちらかが $18$ である。

最後に $A_{1}, A_{2}$ に注目すると,$A_{1} = 2$ で素数が使われているので,$A_{2}$ は $4, 6, 8, 9, 10, 12, 14, 15$ のいずれかである。

ここまでの情報で確定したところを埋めて再度データの要素を書き並べると以下のようになる。
$$
2,~ A_2,~ 16,~ A_4,~ A_5,~ 20,~ A_7,~ A_8,~ 25,~ A_{10},~ 29
$$

また使うことが確定した数については,
$A_{4} = 18$ または $A_{5} = 18$
$A_{7} = 23$ または $A_{8} = 23$

以下⑦より,
$A_{1} = 2$ で $1$ は使えないので,使用する立方数は $8$ と $27$ である。
空いている箇所でこれらを当てはめると,$A_{2} = 8, A_{10} = 27$ である。

確定したところを埋めると以下のようになる。
$$
2,~ 8,~ 16,~ A_4,~ A_5,~ 20,~ A_7,~ A_8,~ 25,~ 27,~ 29
$$


すべての要素の確定

四分位数を決定するの節で $S_{small} = 63$ と分かっているので,$A_{4}, A_{5}$ のどちらかが $18$ であることに注意して考えると,
$$
\begin{eqnarray}
2 + 8 + 16 + 18 + X &=& 63 \\
44 + X &=& 63 \\
X &=& 19
\end{eqnarray}
$$

よって $A_{4} = 18, A_{5} = 19$ が確定する。

同様にして,$S_{large} = 2S_{small} = 126$ であるので,$A_{7}, A_{8}$ のどちらかが $23$ であることに注意して考えると,
$$
\begin{eqnarray}
23 + 25 + 27 + 29 + X &=& 126 \\
104 + X &=& 126 \\
X &=& 22
\end{eqnarray}
$$

よって $A_{7} = 22, A_{8} = 23$ が確定する。


最終的な答え

以上より,求めるデータは
$$
2, 8, 16, 18, 19, 20, 22, 23, 25, 27, 29
$$


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$$
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$$

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$$
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$$

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$$
\int_0^1(x^x)^{{(x^x)}^{(x^x)\cdots}}dx:=\int_0^1\lim_{n\to \infty} f_n(x)\ dx
$$

の値を求めよ。ただしテトレーション $x^{{x^{x\cdots}}}$ は底 $x$ が $e^{-e}<x<e^{1/e}$ のとき収束することは証明せずに用いて良い。

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